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世界的なオリーブ不作に希望の光!

近年、世界のオリーブオイル市場は高騰しています。

オリーブの二大産地であり、日本のオリーブオイル輸入先の9割を占めているイタリアとスペインでオリーブの大凶作に見舞われていることが主な原因です。

スペインでは異常気象による酷暑と干ばつにより、2014年には過去20年間で最悪の収穫量となりました。イタリアでは数百万本ものオリーブの樹が「ピアス病」と呼ばれる細菌による伝染病の被害により、大量伐採を余儀なくされるという事態も大きく影響しています。

IOC(国際オリーブ協会)の統計によると、2015/16シーズンは欧州諸国のオリーブオイル生産は大分持ち直したようで、スペインで1,397,900t、イタリア470,000t、ギリシャ320,000t、ポルトガル109,000t(過去25年で最高)の生産量で、全世界で3,152,000t(対前年比28%増)となっています(暫定値)。

しかしながら、2016/17シーズンは再び世界的に不作に見舞われる様相を呈しており、IOCの予測によると、スペインは1,380,000t(前年比1%減)、イタリア330,000t(同30%減)、ギリシャ260,000t(同19%減)、チュニジア100,000t(同29%減)、アルジェリア74,000t(11%減)、全体で2,918,000t(同7%減)と算出されています。

この世界的な不作は、当然オリーブオイルの価格にも反映されることが予想されます。

そんな中、唯一生産量を伸ばしているのが、トルコです。IOCによると、トルコの2016/17シーズンのオリーブオイル生産高は前年比24%増の177,000tが予測されています。

トルコの国産オリーブ・オリーブオイル委員会は、2016/17シーズンでオリーブの総生産量1,535,055t、その内、食用オリーブが432,976t、油糧用オリーブが1,102,080tと推計。

ここ10年ほど、トルコは食糧農業畜産省の支援の下オリーブの植樹が進められており、スペインに次ぐオリーブ生産大国の地位を確立させようとしています。その成果が表れてきている、ということでしょうか。

地中海料理には欠かせないオリーブオイル。昨今ではオメガ3など健康効果が注目を浴び、世界的に人気が高まってきている食材ですが、この世界規模の不作により価格高騰や食品偽装も問題となっています。

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