油酔い

アクロレインによる「油酔い」 

 東京工科大学、応用生物学部の遠藤泰志教授らの研究チームは、食用油脂を使った加熱調理中に気分が悪くなる「油酔い」の原因物質とされる「アクロレイン」の発生メカニズムの解明に初めて成功しました。

 天ぷらを揚げ続けていると、「気持ち悪い」と感じるようなことがよくあると思います。この原因は油から出る「アクロレイン」という物質です。 アクロレインの融点は53℃なので、サラダ油を加熱して臨界温度の150℃を超え180℃まで加熱している間にアクロレインが蒸発していきます。

 東京工科大学の遠藤教授によると、加熱調理中に生じる「アクロレイン」の量は油脂の種類によって大きく異なり、油脂中のリノレン酸の含有率が、加熱時の「アクロレイン」の生成と悪臭との間に非常に高い相関性のあることが明らかになったそうです。

 アクロレインは第一次世界大戦中に催涙ガスとして使用されたというように、極めて強い刺激臭を有します。